高血圧、何が怖い?
血圧が高い!放っておくと心臓にどんな影響があるの?
「血圧が少し高いですね」と言われても、特に症状がないと「まぁ大丈夫かな」と思ってしまう方も多いかもしれません。
でも実は、高血圧は“静かに体をむしばむ病気”。気づかないうちに心臓や血管に負担をかけ続けてしまいます。
今回は循環器内科医の立場から、高血圧と心臓の関係、そして2025年の新しい血圧の基準について、わかりやすく解説します。
高血圧ってどんな状態?
心臓はポンプのように血液を全身に送り出しています。
そのとき血管の内側にかかる圧力が血圧です。
この圧力が長い期間ずっと高いままになっている状態が「高血圧」です。
たとえるなら、細いホースに水を強く流し続けているようなもの。
ホース(血管)はどんどん硬くなり、内側にダメージがたまっていきます。
血圧が高いと心臓にどんな負担がかかる?
血圧が高い状態が続くと、心臓は強い圧力に逆らって血液を送り出さないといけません。
その結果、心臓の筋肉が厚くなり(心肥大)、だんだんと動きが悪くなってしまいます。
- ポンプの力が弱くなり「心不全」を起こす
- 心臓の血管が詰まり「狭心症」や「心筋梗塞」を起こす
- 心臓のリズムが乱れ「不整脈」や「心房細動」が出る
どれも最初は症状がなく、少しずつ進んでいくのが怖いところです。
「痛くないから大丈夫」ではなく、「早めにチェック」することがとても大切です。
血圧が高いと起こりやすくなる他の病気
- 脳の血管が詰まる・破れる(脳梗塞・脳出血)
- 腎臓の機能が落ちる(慢性腎臓病)
- 目の血管が傷つく(高血圧性網膜症)
つまり、高血圧は体のあらゆる血管の病気につながる可能性があるのです。
2025年の「新しい血圧基準」ではどう変わった?
2025年に改訂された日本高血圧学会ガイドライン(JSH2025)では、血圧の管理目標がより厳しくなりました。
これは、心臓や血管の病気を防ぐために「より早く、よりしっかり管理する」ことが大切と分かってきたためです。
| 項目 | 目標値(2025年基準) |
| 診察室で測った血圧 | 130/80 mmHg未満 |
| 家庭で測った血圧 | 125/75 mmHg未満 |
以前は「140/90 mmHg」を超えると“高血圧”と言われていましたが、
今ではそれより低い数値でも、放っておかない方がいいと考えられています。
自分でできる高血圧対策3つ
- 家庭で血圧を測る習慣をつける
朝(起きてすぐ)と夜(寝る前)に測り、記録を残しましょう。数字の変化が見えるだけでも意識が変わります。 - 塩分を減らす
味噌汁や漬物、ラーメンのスープなどに注意。塩分は1日6g未満が目標です。 - ストレスと睡眠を見直す
睡眠不足やストレスは血圧を上げる大きな原因です。夜はスマホを早めに手放し、心と体を休めましょう。
高血圧は「治す」よりも「守る」病気です
高血圧は一度発症すると、完全に“治る”ことは少ない病気です。
でも、しっかり管理することで心臓や脳を守ることは十分できます。
薬の力をうまく使いながら、生活習慣と合わせて長く安定させることが大切です。
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循環器内科では、血圧・動脈硬化・心電図・心エコーなど、
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「血圧が少し高いかも」「家で測るとばらつきがある」という方は、お気軽にご相談ください。


