診察室で医師が患者さんに優しく説明している様子

こんにちは。朋クリニックです。

日々の診療の中で、患者さんから「手足がしびれる」「足の裏に紙が1枚挟まっているような感覚がある」といったご相談をよく受けます。そして、お薬手帳を見せていただくと、「メチコバール」などのビタミンBのお薬を飲まれている方が非常に多いことに気づきます。

「しびれにはビタミンBが良いと聞いて飲んでいるけれど、どうして効くの?」
今回は、そんな患者さんの素朴な疑問にお答えしながら、神経痛やしびれの本当の原因と、当院での治療の考え方についてお話ししたいと思います。

📝 この記事のポイント

  • ビタミンBは「神経の修復」や「エネルギー補給」を助ける栄養素です。
  • 飲んですぐに痛みが消える痛み止めとは違い、ゆっくりと回復を支えます。
  • サプリメント(特にビタミンB6)の摂りすぎは、逆にしびれの原因になることがあります。
  • しびれの原因は様々です。お薬だけでなく、リハビリを含めた根本的な治療が大切です。
⚠️ こんな症状は早めに受診を

「急に片側の手足が動かしにくくなった」「ろれつが回らない」「歩きにくい」「排尿・排便の異常がある」といった症状は、脳や脊髄の重大な病気のサインかもしれません。様子を見ずに、早急に医療機関をご受診ください。

しびれや痛みでお悩みですか?
内科・整形外科の両面から、症状の原因を丁寧に探ります。

Web予約はこちら

なぜ、しびれにビタミンBが処方されるの?

筋肉や関節の痛みとは違い、神経痛やしびれは「神経そのもの」が圧迫されたり、傷ついたりすることで起こります。ビリビリ、ジンジンするような不快な感覚です。

たとえば、こんな症状に心当たりはありませんか?

  • 手足がビリビリ・ジンジンする
  • 足の裏に紙が1枚挟まっているような感覚がある
  • 電気が走るように痛い
  • 手先・足先の感覚が鈍い
  • 長く歩くと足がしびれる
  • 首や腰から手足に痛みが走る

このような症状は、体のすみずみまで走っている「末梢神経」が弱ったり、圧迫されたりすることで起こります。

手足や足全体にしびれや痛みが出ているイラスト

ビタミンB群は、私たちの体の中で「神経を修復する材料」「神経を動かすためのエネルギー」として働いています。だからこそ、神経が弱っている時にビタミンBを補うことで、神経の回復を後押しできるのです。

3つのビタミンB、それぞれの役割

ビタミンB1、B6、B12の役割を優しく表現したイラスト

神経に関係するビタミンBには、主に3つの種類があります。

  • ビタミンB1(神経のエネルギー源):
    神経は体の中でも特にエネルギーを使います。B1は糖分からエネルギーを作り出し、神経がしっかり働くための「燃料」になります。不足すると、脚気に代表されるような手足のしびれや筋力低下が起こることがあります。
  • ビタミンB6(情報伝達のサポート):
    神経同士が情報をやり取りするための「神経伝達物質」の合成に関わります。これが不足すると、痛みに敏感になったり、しびれを感じやすくなったりします。
  • ビタミンB12(神経のカバーの修復):
    しびれの治療で一番よく使われるのがこれです(メチコバールなど)。神経は電線のように「ミエリン」というカバーで覆われています。B12は、この傷ついたカバーを修復するのを助けてくれます。

正常な神経のカバーと、傷ついたカバーが修復されるイメージ

特にビタミンB12欠乏による神経症状は、「血液検査で貧血がないから大丈夫」とは言い切れないことがあります。貧血が目立たない段階でも、しびれや感覚低下などの神経症状が先に出てくることがあるため、注意が必要です。

知っておいてほしい「お薬」と「サプリ」の注意点

ビタミンBのお薬を飲むときに、患者さんに知っておいていただきたいことが2つあります。

1. 痛み止めのように「すぐには効かない」

ロキソニンなどの痛み止めは、飲んでしばらくすると痛みが和らぎますよね。でも、ビタミンBは「神経の回復をゆっくり助ける」お薬です。飲んですぐに劇的にしびれが消えるわけではなく、数週間から数ヶ月かけて少しずつ変化を見ていくものになります。「1日飲んだけど効かなかった」とやめてしまわず、継続して使うことが大切です。

2. サプリメントの「飲みすぎ」に注意

サプリメントの飲みすぎに注意を促すイラスト

「ビタミンだから、たくさん飲めば飲むほど体に良いはず」と思われるかもしれませんが、実はビタミンB6の摂りすぎには注意が必要です。

ビタミンB6は「不足してもしびれが出る」のですが、「過剰に摂りすぎてもしびれ(末梢神経障害)が出る」ことがわかっています。複数のサプリメントや栄養ドリンクを毎日たくさん飲んでいる方は、知らず知らずのうちに摂りすぎていることがあります。神経痛を良くしようとして飲んでいたものが、逆にしびれの原因になることもあるので、注意してください。

ビタミンB群は、毎日の食事からバランスよく摂るのが一番自然です。

ビタミンB群を多く含む食品の優しいイラスト

  • ビタミンB1が多い食品:豚肉、玄米、大豆、うなぎ
  • ビタミンB6が多い食品:魚、鶏肉、バナナ、ブロッコリー
  • ビタミンB12が多い食品:貝類、レバー、魚介類、卵、乳製品

特にビタミンB12は動物性食品に多く含まれるため、菜食傾向の方や、胃の手術後の方、胃薬を長期に飲んでいる方、高齢の方などは不足しやすいので注意が必要です。

ビタミンBだけでは治らない?本当の原因を見つける大切さ

ここまでビタミンBの良いところをお話ししてきましたが、実は「すべてのしびれがビタミンBだけで治るわけではない」ということも、正直にお伝えしなければなりません。

しびれの原因は、人によって全く違います。たとえば——

  • 腰部脊柱管狭窄症・椎間板ヘルニア:腰の骨が神経を圧迫しています。ビタミンBを飲んでも「圧迫」そのものは取れません。
  • 手根管症候群・肘部管症候群:手首や肘で神経が圧迫されています。
  • 糖尿病性神経障害:血糖の異常が神経を傷めています。血糖コントロールが最優先です。
  • 頚椎症性神経根症:首の骨の変形が神経に影響しています。
  • 帯状疱疹後神経痛:ウイルス感染後の神経の傷みです。

これらはすべて「しびれ・ピリピリ・ジンジン」として現れますが、原因は全く違います。原因によって必要な治療も変わってきます。

理学療法士と患者さんが和やかにリハビリをしている様子

神経は「圧迫」や「引き伸ばし」に弱い組織です。そのため、お薬だけでなく、リハビリテーションで姿勢や筋肉のバランスを整え、神経への負担を減らしてあげることが、しびれの改善にはとても効果的です。ビタミンBで神経の回復を支えながら、リハビリで神経に負担がかかりにくい体に整えていく——この組み合わせが、慢性的なしびれや神経痛にはとても大切です。

朋クリニックの治療方針

「とりあえず、しびれ止めのお薬を出しておきますね」で終わらせないのが、私たちの診療方針です。

朋クリニックには、内科と整形外科の専門医が複数在籍しており、常に2診体制で診療を行っています。内科の視点(糖尿病や血流、栄養不足などはないか?)と、整形外科の視点(首や腰で神経が圧迫されていないか?)の両方から、患者さんのしびれの「本当の原因」を探ります。

必要に応じて、血液検査・レントゲン・エコー・神経学的診察などを組み合わせ、「どこの神経が、なぜ障害されているのか」を見極めます。その上で、ビタミンBのお薬・リハビリテーション・消炎鎮痛薬・神経障害性疼痛治療薬・ブロック注射・生活指導などを組み合わせた、患者さん一人ひとりに合った治療をご提案します。

※当院では、内科(血液内科・神経内科専門医5名)、整形外科(整形外科専門医3名)が対応いたします。常時内科1診・整形外科1診の2診体制です。眼科、産婦人科、歯科の診療は行っておりません。

しびれや痛み、一人で悩まないでください

「ずっと手足がジンジンしている」「歩くと足がしびれてつらい」
「糖尿病があって、しびれが気になる」
そんな症状があれば、自己判断でサプリメントに頼る前に、一度私たちにご相談ください。
Web予約をご利用いただくと、スムーズにご案内が可能です。

診察のWeb予約はこちら

※本記事は一般的な医療情報の提供を目的としています。症状には個人差がありますので、気になる症状がある場合は必ず医療機関をご受診ください。

朋クリニック