子どもの首が傾く?環軸椎回旋位固定(AARF)とは

朝起きたら、子どもが首を傾けて「痛い」と言う。そんな時、環軸椎回旋位固定(AARF)という病気の可能性があります。小児に多くみられる病気で、早期対応が大切です。

環軸椎回旋位固定(AARF)とは?

首の骨の一番上あたり、「環椎」と「軸椎」がねじれた状態で固まってしまう病気です。5〜6歳くらいの子に多くみられます。

なぜ起こるの?

  • 朝起きたら突然首が傾いていた(寝姿勢が原因)
  • 転倒・スポーツなどの軽い衝撃
  • 耳下腺炎や風邪のあと
  • 手術の後に首の姿勢が固定されていた

どんな症状?

  • 首が一方向に傾いている(斜頸)
  • 首を動かすと痛がる
  • 微熱を伴うこともある

どうやって治すの?

AARFは多くの場合、手術をしなくても治ります。以下のような段階的な治療が行われます。

① 頚椎カラー(ハードカラー)で固定

まずは硬い首のサポーターを装着して1週間。これで治る子も多いです。

② Glisson牽引(けんいん)

カラーで治らない場合は、病院で首を軽く引っ張る治療を約2週間行います。

③ 徒手整復+ハローベスト

牽引でも改善しない場合は、麻酔下で首を戻す処置をして、ハローベストという装具で固定します。

再発や治りにくい条件は?

  • 発症から受診まで2週間以上たっている
  • 年齢が高め(7歳以上)
  • カラーが装着できていない
  • 牽引・固定の期間が短い

予防のポイント

  • 寝姿勢に気をつける(首をひねったまま寝ない)
  • 長時間の腕枕やソファ寝に注意
  • 手術後は首をまっすぐに保つようサポート

まとめ

項目内容
疾患名環軸椎回旋位固定(AARF)
好発年齢平均5〜6歳
原因寝姿勢、外傷、炎症など
主な治療頚椎カラー → 牽引 → 整復・固定
予防策寝方と手術後の首の姿勢に注意

おわりに

「寝違えたかな?」で済ませず、子どもの首の異常が気になったら、早めに整形外科を受診しましょう。早期治療でしっかり回復できます。

 

朋クリニック