子供の首が痛い
子どもが「首が痛い」と言ったときに考えられること
子どもが突然「首が痛い」「動かせない」と訴えると、親としてとても心配になりますよね。特に、朝起きた瞬間から症状が始まった場合や、明らかに首が傾いている場合は不安が大きくなると思います。
実は子どもの首の痛みの中で比較的多い原因のひとつに「環軸関節回旋位固定(かんじくかんせつ かいせんいこてい)」という状態があります。
環軸関節回旋位固定とは?
首の骨(頚椎)は7つあり、そのうち1番目と2番目の骨を「環椎(C1)」と「軸椎(C2)」と言います。この2つの骨は頭を左右に回す役割を持っています。
何らかの理由でこの関節が捻れたまま戻らなくなってしまう状態が環軸関節回旋位固定です。
簡単に言うと、首の骨が“軽くロックされた”状態です。
よくある症状
- 首が片側に傾いたまま戻らない
- 痛みが強く動かせない
- 下を向く・上を向く動作で特に痛みが出る
- 首を動かすと泣いて嫌がる
なぜ起きるの?原因は?
原因はさまざまですが、次のようなタイミングで起こることが多いです。
- 寝ている間の無意識な姿勢
- 風邪や扁桃炎など、炎症後に発症するケース
- 転倒や軽い外傷
- 姿勢不良(スマホやゲームで長時間同じ姿勢)
特に感染症のあとに起こるタイプ(Grisel症候群)は注意が必要で、治療方針が異なることがあります。
自宅で様子を見るべき?受診すべきタイミング
ほとんどの場合、適切な治療で改善する病態です。しかし、次のような場合は早めに受診がおすすめです。
- 痛みが強く首が動かない
- 朝からずっと首が傾いたまま
- 発熱や咽頭痛を伴う
- 頭痛やめまいを訴える
- 数日経っても改善しない
治療はどうする?
治療は症状や原因により異なりますが、一般的には次の方法が用いられます。
- 消炎鎮痛薬内服
- 頚椎カラーによる安静
- 軽度の場合はストレッチやリハビリ
- 原因感染症の治療
適切に対応すれば多くの場合は改善が期待できます。
放置するとどうなる?
多くは自然に治る病態ですが、放置すると首の傾きが癖になり、慢性的な痛みや姿勢の歪みにつながるケースがあります。
特に子どもは骨格が柔らかいため、早期対応が望ましいとされています。
まとめ
子どもの「首が痛い」は珍しいことではありませんが、首が傾いたまま戻らない、触るのも嫌がる、朝から突然発症したなどの場合は、環軸関節回旋位固定が疑われます。
適切な診断と治療で改善が期待できるため、気になる症状があれば早めに医療機関へご相談ください。
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