夏風邪って?手足口病?
朋クリニック 内科専門医(血液内科専門医・神経内科専門医 5名在籍)が監修した、正確な医療情報をお届けします。最終更新:2026年7月
2026年の夏も、ヘルパンギーナ・手足口病・咽頭結膜熱(プール熱)が各地で流行しています。特に2026年はヘルパンギーナが例年より早い4月から流行の兆しを見せており、夏本番に向けてさらなる拡大が懸念されています。
「夏風邪は子どもの病気」と思っていませんか?大人も感染します。しかも大人のほうが症状が重くなることも。正しい知識で、家族みんなを守りましょう。
夏風邪とは?冬の風邪との違い
「夏風邪(なつかぜ)」とは、夏に流行しやすいウイルス感染症の総称です。冬の風邪(インフルエンザ・RSウイルスなど)とは原因となるウイルスが異なります。
| 比較項目 | 夏風邪 | 冬の風邪・インフルエンザ |
|---|---|---|
| 主な原因ウイルス | エンテロウイルス・コクサッキーウイルス・アデノウイルス | インフルエンザウイルス・RSウイルス・ライノウイルス |
| 流行時期 | 6〜9月(梅雨明け〜夏) | 11〜3月(秋冬) |
| 目立つ症状 | のどの痛み・発疹・目の充血・胃腸症状 | 鼻水・咳・高熱・全身の倦怠感 |
| 感染経路 | 飛沫・接触・糞口感染(便からも感染) | 主に飛沫感染・接触感染 |
| アルコール消毒の効果 | 効きにくい(石けんでの手洗いが重要) | 有効 |
夏風邪の原因となるエンテロウイルス・コクサッキーウイルスは、アルコール消毒の効果が弱いという特徴があります。消毒ジェルだけに頼らず、石けんを使ったしっかりとした手洗い(30秒以上)が最も重要な予防策です。
3種類の夏風邪の見分け方
- 突然の高熱(38〜40℃)が1〜3日続く
- のどの奥(軟口蓋・口蓋弓)に小さな水ぶくれ・潰瘍ができる
- のどの痛みで食事・水分が取りにくくなる
- 手足には発疹が出ない(手足口病との違い)
- 手のひら・足の裏・口の中に発疹や水ぶくれ
- 発熱は微熱〜38℃程度(高熱になりにくい)
- おしりや膝にも発疹が出ることがある
- 爪が剥がれることがある(回復後1〜2ヶ月)
- 高熱(38〜40℃)が3〜5日続く
- のどの痛み・扁桃腺の腫れ
- 目の充血・目やに(結膜炎)
- プールでの集団感染が多い
「のどだけに水ぶくれ」→ ヘルパンギーナ、「手・足・口に発疹」→ 手足口病、「目が赤い+高熱+のどの痛み」→ 咽頭結膜熱(プール熱)と覚えておきましょう。ただし、症状が重なることもあるため、判断が難しい場合は医療機関を受診してください。
共通する一般的な症状
3種類の夏風邪に共通して見られる症状があります。お子さんが以下の症状を示したら、夏風邪を疑いましょう。
- 発熱(微熱〜高熱まで、種類によって異なる)
- のどの痛み・飲み込みにくさ
- 鼻水・軽い咳
- 倦怠感・食欲不振
- 下痢・腹痛(エンテロウイルスが原因の場合に多い)
- 機嫌が悪い・ぐずる(乳幼児に多い)
夏風邪の多くは1週間程度で自然に回復します。ただし、水分が取れない・症状が悪化するなどの場合は早めに受診してください。
大人も感染する!大人がかかると重症化しやすい
「夏風邪は子どもの病気」というイメージがありますが、大人も感染します。特に、子どもの看病をしている親御さんや、保育士・教師など子どもと接する職業の方は注意が必要です。
大人が夏風邪にかかった場合、子どもより症状が重くなることがあるのが特徴です。特にヘルパンギーナでは、大人では高熱が長引いたり、のどの痛みが非常に強くなったりすることがあります。
- 子どもの看病後は念入りな手洗いを忘れずに
- おむつ交換後は特に丁寧に手を洗う(便からも感染する)
- タオルや食器の共有を避ける
- 妊娠中の方は感染しないよう特に注意(胎児への影響が懸念される場合がある)
- 持病がある方は重症化リスクが高いため、早めに受診を
治し方・自宅でのケア
夏風邪の多くはウイルスが原因のため、抗菌薬(抗生物質)は基本的に効きません。治療は症状を和らげながら、自然に治るのを待つことが中心です。
① 水分補給が最重要
発熱やのどの痛みで脱水になりやすいため、こまめな水分補給が最も大切です。スポーツドリンク・経口補水液(OS-1など)・麦茶・白湯などを少しずつ飲ませましょう。ジュースや炭酸飲料は避けましょう。
② 十分な睡眠・休養
体を休めることで免疫力が高まり、回復を助けます。室温・湿度を快適に保ち(室温26〜28℃、湿度50〜60%程度)、静かで暗めの環境で休ませましょう。
③ のどが痛いときの食事
のどが痛くて食べられないときは、冷たくてやわらかい食べ物・飲み物を選びましょう。アイスクリーム・ゼリー・ヨーグルト・冷たい麦茶などがおすすめです。熱すぎるもの・辛いもの・酸味の強いもの・かたいものは避けましょう。
④ 解熱鎮痛薬の使い方
熱や痛みが強い場合は、医師・薬剤師の指示に従って解熱鎮痛薬(アセトアミノフェンなど)を使用しましょう。ただし、子どもにアスピリンは使用禁止(ライ症候群のリスク)です。持病のあるお子さんや他の薬を飲んでいる場合は、事前に医師・薬剤師に相談してください。
夏風邪のウイルスは、熱が下がった後もしばらく体内に残り、他の人にうつる可能性があります。特に便の中にはウイルスが長期間(数週間〜1ヶ月)残ることがあります。熱が下がっても、しっかり手洗いを続けましょう。
感染予防のポイント
基本の予防策
- 石けんでの手洗い(30秒以上)を徹底する(アルコール消毒は効果が弱い)
- タオル・コップ・食器の共有を避ける
- 咳・くしゃみのときは口と鼻を覆う(咳エチケット)
- おむつ交換後は特に念入りに手を洗う
- プールの後は目を清潔な水で洗う(プール熱予防)
- ゴーグルやタオルの共有を避ける(プール熱予防)
- 十分な睡眠・バランスのよい食事で免疫力を高める
登園・登校の目安
夏風邪は学校保健安全法で出席停止の対象となっているものもあります。以下の目安を参考にしてください。ただし、最終的には医師の判断と子どもの体調を優先してください。
| 病名 | 法的分類 | 登園・登校の目安 |
|---|---|---|
| ヘルパンギーナ | 第3種感染症(その他) | 解熱後1日以上経過し、全身状態が良好になってから |
| 手足口病 | 第3種感染症(その他) | 解熱後1日以上経過し、口の中の水ぶくれが治り食事ができるようになってから |
| 咽頭結膜熱(プール熱) | 第2種感染症 | 主要症状消退後2日以上経過してから(医師の許可が必要) |
熱が下がっても体力が戻っていない場合があります。食欲が戻り、水分がしっかり取れて、子ども自身が元気に活動できる状態になってから登園・登校させましょう。
こんな症状は早めに受診を
- 水分がほとんど飲めない(脱水の危険)
- 38.5〜39℃以上の高熱が続く
- 呼吸が苦しそう・呼吸が速い
- 強いぐったり感・意識がぼんやりする
- けいれんを起こした
- 症状が1週間以上改善しない
- 乳幼児(特に1歳未満):脱水になりやすく重症化しやすい
- 高齢者:免疫力が低下しており重症化リスクが高い
- 妊娠中の方:胎児への影響が懸念される場合がある
- 持病がある方(糖尿病・心疾患・免疫抑制状態など)
よくある質問
夏風邪に抗生物質(抗菌薬)は効きますか?
ヘルパンギーナと手足口病は同時にかかることがありますか?
夏風邪のワクチンはありますか?
手足口病の水ぶくれは潰してもいいですか?
プール熱になったらプールはいつから入れますか?
夏風邪かな?と思ったらクリニックに行くべきですか?
まとめ:夏風邪は正しいケアと予防で乗り切ろう
夏風邪(ヘルパンギーナ・手足口病・咽頭結膜熱)は、毎年夏になると子どもを中心に流行する感染症です。多くの場合は1週間程度で自然に回復しますが、水分補給・十分な休養・正しい感染対策が回復を助けます。
- 石けんでの手洗いを徹底する(アルコール消毒は効きにくい)
- タオル・コップの共有を避ける
- 水分補給を最優先に(のどが痛くても少しずつ飲ませる)
- 大人も感染するので、看病後は念入りに手洗いを
- 「水分が取れない・高熱が続く・ぐったり」は早めに受診
- 登園・登校は医師の判断と子どもの体調を優先
🏥 夏風邪が心配な方は朋クリニックへ
「子どもの熱が下がらない」「のどに白い水ぶくれがある」「目が赤くなっている」——そんな症状が気になったら、ためらわずにご相談ください。
朋クリニックでは夏風邪をはじめとする感染症の診察に対応しています。内科専門医5名在籍・常時2診体制でお待たせしません。
常時2診体制
小児〜成人まで対応
※眼科・産婦人科・歯科は対応しておりません。
参考文献・情報源
・厚生労働省「感染症法に基づく医師の届出のお願い」
・日本小児科学会「学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説」(2023年改訂版)
・国立感染症研究所「ヘルパンギーナとは」「手足口病とは」「咽頭結膜熱とは」
・大阪市「夏かぜ(夏型感染症:手足口病、咽頭結膜熱、ヘルパンギーナ)」(2026年7月更新)
・日本感染症学会「感染症予防のための手洗いについて」
※本記事は医療情報の提供を目的としており、診断・治療を行うものではありません。症状がある場合は必ず医療機関を受診してください。

