サッカーで足の付け根が痛い?グロインペインの原因・治療・競技復帰|明石市 朋クリニック
SOCCER × ORTHOPAEDICS
サッカーで足の付け根が痛い?
グロインペインの原因・治療・競技復帰
「ボールを蹴ると足の付け根が痛い」「ダッシュや切り返しで違和感がある」「休むと軽くなるのに、練習するとまた痛む」。サッカーでこのような症状が続く場合、グロインペイン(鼠径部痛)の可能性があります。
走れることと、試合に復帰できることは同じではありません。
痛みの原因を確認し、キック・加速・減速・方向転換に耐えられる状態へ段階的に戻すことが大切です。
グロインペインとは?サッカー選手に起こる足の付け根の痛み
グロインペインは鼠径部周辺の痛みを指す言葉で、単独の病名ではありません。太ももの内側、恥骨の周囲、下腹部、股関節の奥など、痛む場所や原因は選手によって異なります。筋肉・腱の障害だけでなく、股関節や骨の病気、鼠径ヘルニアなどを区別する必要があります。[1]
こんな症状はありませんか?
- インサイドキック、シュート、ロングパスで痛む
- ダッシュの出だしや、急停止・切り返しで痛む
- 脚を内側へ寄せる動きで、太ももの内側が痛む
- 練習後や翌朝に、足の付け根の痛みが残る
- 蹴る力が落ちる、無意識に痛い側をかばう
これらだけで自己診断はできません。軽い違和感でも繰り返す場合は、練習内容を調整して整形外科に相談しましょう。
サッカーでグロインペインが起こる理由
キックでは脚を振るだけでなく、軸脚で体を支え、骨盤と体幹をコントロールします。ダッシュや方向転換でも股関節周囲に大きな負荷がかかります。練習量や強度の急な増加、連戦、十分に回復しないままの復帰は、症状が続く背景になり得ます。[2]
「内転筋だけの問題」とは限りません
| 診察で考える原因 | 確認するポイントの例 |
|---|---|
| 内転筋関連 | 太ももの内側の圧痛、脚を内側へ寄せる抵抗運動での痛み |
| 腸腰筋関連 | 股関節前方の圧痛、脚を持ち上げる抵抗運動や伸ばす動きでの痛み |
| 鼠径部関連 | 鼠径管周囲の痛み・圧痛、腹筋に力を入れる動きなどでの症状 |
| 恥骨関連 | 恥骨結合や周囲の局所的な圧痛 |
| 股関節関連・その他 | 股関節の病変、骨の疲労障害、ヘルニアなどの可能性 |
複数の原因が重なっていることもあります。「グロインペイン=恥骨炎」「股関節が硬いから痛む」と一つの原因に決めつけないことが重要です。[1]
整形外科では何を調べる?
診察では、痛みが始まった時期、突然か徐々にか、痛む位置、利き脚と軸脚、練習量の変化、過去のけがなどを確認します。圧痛、股関節の動き、筋力、痛みを再現する動作などを組み合わせて評価します。
必要に応じてレントゲンやエコーなどを行い、骨の疲労障害や股関節内の病変などが疑われる場合はMRI等を検討します。画像だけでなく、症状と診察所見を合わせて判断します。すべての選手に同じ検査が必要なわけではありません。[1]
成長期の選手では骨の障害にも注意
中学生・高校生では、骨の成長部に負担がかかる障害や、キック時の骨盤の裂離骨折なども考えます。急に強い痛みが出た、歩きにくい、痛みが続いている場合は、単なる筋肉痛として練習を続けないでください。
早めに受診したい症状
体重をかけられない、安静時や夜間にも強く痛む、発熱がある、鼠径部の膨らみと強い痛み・嘔吐がある場合は、速やかに医療機関へ相談してください。突然の強い精巣痛・陰嚢の腫れは、練習を中止して直ちに受診が必要です。
治療の中心は、負荷調整と段階的なリハビリ
原因に応じて治療を選びます。内転筋関連の痛みでは、運動療法と負荷の調整が重要です。休むだけで一時的に痛みが減っても、競技に必要な筋力や動作が戻っていなければ、復帰後に再び症状が出ることがあります。[2]
1.痛みを強めるプレーを調整する
強いシュート、長距離パス、全力疾走、急な切り返しなど、痛みを誘発する動作の回数や強度を減らします。全面的な休止が必要か、負荷を下げて参加できるかは、診察で判断します。運動中だけでなく、練習後・翌朝の反応も確認します。
2.股関節周囲と体幹の機能を戻す
内転筋、臀部、体幹などの筋力と、片脚で体を支える能力を状態に合わせて改善します。柔軟性も評価しますが、強いストレッチで痛みを押し切ることは避けます。
3.サッカーの動きを少しずつ再開する
走る練習とボールを使う練習を調整し、短いパスから強いキックへ、直線走から方向転換へ進めます。練習後の反応を見ながら、回数・速度・距離を増やします。段階の順序や進め方は症状によって変わります。
コペンハーゲンアダクションは誰でも始めてよい?
内転筋を鍛える運動の一つです。成人男性サッカー選手を対象とした研究では、段階的な内転筋強化プログラムによって鼠径部の問題を訴える割合・リスクが低下しました。ただし、予防研究の結果は、痛みのある選手の治療効果や、小児・女性への同じ効果を保証するものではありません。高負荷の運動なので、痛みがある場合は自己判断で始めず、医師や理学療法士に相談してください。[3]
薬や注射は、適応を判断して痛みの軽減を図る選択肢となる場合があります。痛みが軽くなったことだけを理由に全力プレーへ戻すことは避け、機能の回復を確認します。
サッカーにいつ復帰できる?日数より「できる動作」で判断
回復までの期間は原因や重症度によって異なり、「何週間休めば必ず治る」とは言えません。急性内転筋損傷の研究でも、痛みのない状態、競技に近い練習、チーム練習への復帰という段階を設けています。[4]
| 復帰の段階 | 確認したい動作・反応 |
|---|---|
| 日常生活・基礎運動 | 歩行、階段、股関節の運動、基本的な筋力練習 |
| ランニング | 直線走、加速・減速、反復走 |
| サッカー動作 | 方向転換、短いパス、長いパス、シュート |
| チーム練習 | 対人練習、接触、疲労がある状態でのプレー |
| 試合 | 通常の練習負荷をこなし、終了後や翌日に悪化しないこと |
これは一般的な考え方で、自己判断用の合格基準ではありません。筋力・可動域・痛み・競技動作を医療者が評価し、指導者とも相談して復帰を決めます。走れても、キックや切り返しで痛むなら、試合復帰の準備は十分でない可能性があります。
再発予防:選手・保護者・指導者が共有したいこと
- 練習量、試合出場時間、自主練習を合わせて把握する
- 休み明けに、走る量とキックの量を同時に急増させない
- 内転筋だけでなく、臀部・体幹の筋力練習も継続する
- 練習前に、走る・止まる・方向転換する動きへ段階的に準備する
- 痛みを隠して出場せず、練習後や翌朝の変化を共有する
「痛みが出たプレー」「痛みの強さ」「練習後・翌朝の状態」を記録しておくと、負荷の調整や診察時の説明に役立ちます。
サッカーのグロインペイン:よくある質問
ストレッチだけで治りますか?
原因によりますが、ストレッチだけでは十分でないことがあります。筋力や競技動作、練習負荷も確認します。痛む場所を無理に伸ばすことは避けましょう。
練習を完全に休む必要がありますか?
骨の障害などでは休止が必要な場合があります。原因を確認したうえで、参加できる練習と避ける動作を相談します。
レントゲンで異常がなければ大丈夫ですか?
筋肉・腱や股関節内の障害、初期の骨の疲労障害などは、レントゲンだけでは判断できないことがあります。痛みが続く場合は再評価が必要です。
痛み止めを飲んで試合に出てもよいですか?
薬で痛みが減っても、組織や機能が回復したとは限りません。薬で症状を抑えて出場を続けず、出場の可否を医師と相談してください。
利き脚ではなく軸脚が痛むこともありますか?
あります。キック時に体を支える軸脚にも負荷がかかるため、痛む側だけでなく両側と全身の動きを評価します。
明石市でサッカーによる足の付け根の痛みにお困りの方へ
朋クリニックでは、整形外科の診察で痛みの原因を評価し、状態に合わせてリハビリテーションの方針を検討します。必要な検査や専門的な治療については、適切な医療機関との連携も検討します。
受診時には、痛む動作、発症時期、最近の練習量、ポジション、過去のけがをお伝えください。学生の選手は、保護者の方とも症状や復帰の目標を共有していただくと相談が進めやすくなります。

